TOEIC900点を取得している人
に対して皆さんはどういう
イメージをお持ちでしょうか?
「英語はペラペラ」
「ネイティブレベルの英語力」
「英語は問題なく使える」
といった感じでしょうか?
TOEIC900点は本当にネイティブレベルの
英語力なのか・・・
今回はTOEIC900点の英語力について
様々な角度から書いてみたいと思います。
目次
1.TOEIC900点の英語力の結論
TOEIC900点は、本格的な英語学習の
スタートラインに立てるスコアです。
もう少し具体的に言うと、
日常会話を不自由なく楽しんだり、
映画を字幕なしで楽しむための
英語力を身につけるための素地が
あるということです。
TOEIC900点になれば、英語はカンペキで
申し分ない英語力が身についていると
考えるのは大きな間違いです。
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2.TOEIC900点の難易度
TOEICの公開テストのスコア分布を見ると、
TOEIC900点は受験者の上位約3%に
入ります。
又TOEIC900点を取得するために
必要な正答数は約92%。
(公開テストの難易度によって
若干の差があります。)
TOEIC900点を取得する人の
リスニングとリーディングの得点は
リスニング、リーディングのバランスが
良い人の場合は、リスニングが470点、
リーディングが430点ぐらいになります。
日本で英語教育を受けた人の多くは
リーディングの方が得意なことが多いので、
その場合は、リスニングが430点、
リーディングが470点ぐらいです。
ただ最近はリーディングパートが
かなり難しくなっているので
リーディングの方が得点が高い
という人の割合はかなり減ったように
思います。
スコアが900点以上の人でも
リーディングが時間内に終わらない
という人は意外と多いです。
逆にリスニング485点、リーディング415点の
ようにリスニングの方が50点以上高い人の
割合が増えているように感じますね。
TOEICが2016年の5月に新形式
になって、テストの難易度が
上がったことによって
以前よりも少ない正答数で
900点を取ることができるように
なっています。
もしかしたら今が900点を
取るチャンスかもしれません。^^;
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3.TOEIC900点の英語力とは?
TOEIC900点取得者でも、
その人がどのような学習を
してきたかで英語力には
かなりの差が出ます。
つまり大きく分けると
1.TOEIC書籍や学習本でゴリゴリ
勉強して、試験テクニックを磨いて
TOEIC900点を取った人。
2.英語を多く話したり、聞いたり
書いたり、読むことによって
英語力を上げてTOEIC900点を取った人
に分かれます。
1のタイプの人は試験問題を
解くのは得意ですが、英語を話したり
書いたりするのは苦手なことが
多いかもしれません。
2のタイプの人は、仕事やプライベートで
実際に英語を使える力を身につけている
可能性が高いと言えます。
+リスニング
TOEICのような明瞭に発音される
英語であれば大体(70~80%)
は聞き取れます。
ただ外国人同士の会話や
くだけた表現が多い会話になると
理解するのに苦労します。
(TOEICのリスニングは
フォーマルな英語だけです)
映画を字幕なしで楽しむことは
まだ出来ません。
(アクション映画のように
内容が簡単でセリフが少ない映画
であればまずまず理解できます。)
+リーディング
TOEICのリーディングに出てくるような
広告、Eメール、記事は問題なく
読むことが出来ます。
英字新聞は内容が馴染みがあるものは
理解できますが、完全に理解できません。
TIMEやNEWSWEEKのような雑誌は
内容が難しいので、理解度は
かなり下がります。
洋書は、自己啓発本のように
内容が難しくないものは読めますが、
小説をスラスラ読むことは
まだ難しいことが多いです。
4.ネイティブがTOEICを受けたら何点?
よくネイティブスピーカーなら
TOEICは当然満点取れるはずだと
言う人がいます。
実際に大学卒のネイティブスピーカーが
TOEICを受験したところ、平均スコアは
930~960点だったそうです。
また、12歳から15歳のネイティブの子供に
TOEICを受験させたところ、ほぼ全員が
860点前後だったとのこと。
だからと言ってこのことから
TOEICで900点が取れれば
ネイティブ並の英語力があると考えるのは
間違いです。
ネイティブがTOEICで満点が取れないのは、
つまらない英語の試験を受験させられたために
集中力が持続せず、答えを間違った可能性が
高いと考えられます。
でも考えてみれば、私達日本人が
国語の試験を受けたらみんなが
満点を取れる訳ではありませんから
ネイティブスピーカーがTOEICで
満点を取れないのも考えてみれば
当たり前の話ですね。
ましてテストを受験することに
何のモチベーションもないのですから・・・
5.TOEICで測定できる力
TOEICに限りませんが、
英語の検定試験(英検、TOEIC,
TOEFL等)で測定できる力には
限界があります。
TOEICの場合、主にビジネスにおける
コミュニケーション能力を
測ることを目的とした試験ですので
使われる語彙、表現はある程度
限られています。
リスニングにしても
話すスピードは一般的な日本人には
速く感じられますが、
実際のネイティブスピーカーの
話すスピードはもっと速いですね。
あと実際のネイティブスピーカーは
TOEICのリスニングのナレーターのように
はっきりとは話してくれません。
言いよどんだり、発声がクリアーで
なかったりするので、
かなり聞き取りにくいのが現実です。
仮にTOEICで満点が取れたとしても
洋画を字幕なしで見たり、
小説をネイティブと同じ様に
スラスラ読めるとは限りません。
(特にTOEICの対策を主にしていた
人にとっては難しいですね)
これは英検やTOEFLでも同じです。
英語の検定試験は万能ではありませんので
あくまで英語力の目安として
利用するようにしましょう。
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6.TOEIC900点の英語力のまとめ
TOEIC900点は一般的には
かなり高い英語力を持っていると
言えます。
ただ本文にも書きましたように
ネイティブレベルの英語力には
程遠いですし、洋画を字幕なしで
理解したり、英語の小説をスラスラ
読める英語力には程遠いのが現実です。
だからと言ってTOEIC900点に
価値がないと言っているわけでは
ありません。
TOEIC900点の英語力があれば
さらに高い英語力を身につけるための
力は身についていると言えます。
ですからこれから自分が必要とする
英語力を身につけるための
必要なトレーニングをしていけば
さらに英語力を上げていくことは
可能です。
TOEIC900点はある意味で
「終わりの始まり」と言えます。
ここからさらに高い英語力を
目指して頑張っていきましょう!!