英語教育業界でもTOEICに対する評価は様々です。
どちらかと言うと否定派の人の方が多いように感じます。
TOEIC否定派の人は「TOEIC高得点でも英語が話せないから意味がない」ということをよく言いますよね。
今日はTOEIC TOEICハイスコアでも英語が話せない原因と対策法について書きます。
目次
1.TOEICハイスコアでも英語が話せないは本当か?
結論から言えば「TOEICハイスコアでも英語が話せない」は本当です。
TOEIC900点以上中にはTOEIC990点満点でも英語が話せない人がいます。(笑)
でも考えてみればTOEICにはスピーキングのテストがないのですからTOEICがハイスコアでも英語がほとんど話せないということは十分あり得る話しですよね。
TOEICにはS&W(スピーキング、ライティング)テストがありますが、あまりにも知名度が低いのと受験料が高額かつ試験会場が少ないことと相まって受験者数がものすごく少ないです。
TOEICS&Wテストがもっと普及すれば状況は変わると思うのですがなかなか難しそうです・・・
世間の多くの人がTOEICハイスコア=英語が出来ると思っているので、TOEICハイスコアの人は英語が話せるはずだと思い込んでいるのが現状です。
言ってみれば多くの人がTOEICを少し過大評価しているのが現状だと言えるかもしれません。
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2.TOEICハイスコアでも英語が話せない原因
関西国際大学准教授の横山雅彦先生もおっしゃっていますがTOEICは基本的に受験英語の延長線上の勉強で高得点が取れます。
もっと具体的に言えば、単語を覚えて、文法、語法問題を解いて、リスニング問題を解けば
TOEICでは高得点が取れます。
つまりTOEICの試験対策は英語のインプットの勉強だけで十分なのです。
一方英語を話すというのはアウトプットですよね。
英語を話すためには英語を口から出さないといけません。
皆さんも経験があると思いますが見ると簡単な英語でもいざ口から出そうと思うと全く出てきません。
横山雅彦先生は普通に英語学習をしているとインプットの10文の1から100文のしか
アウトプットできないとおっしゃいます。
私も同感です。
TOEICでハイスコアを取るための学習と英語を話せるようになるための学習は
やり方が全く違いますので、TOEIC対策だけをいくらやっても英語を話せるようにはならないのです。
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3.TOEIC対策をスピーキングにつなげる方法
では英語が話せないTOEICハイスコアの人はどうすれば英語が話せるようになるのでしょうか?
見て分かる英語を文字に頼らず口からスムーズに出るようにすれば良いのです。
TOEICでハイスコアを取得している人は文法はきちんと身についているはずです。
その文法知識を活かして音だけで英文法を口頭で運用できるようになれば英語は話せるようになります。
そのためには受動的知識を能動的知識に変える必然があります。
音だけで英文法を運用してスピーキング力をアップさせるのに最適な教材が横山雅彦先生が書かれたこの本です。
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4.英語のハノンの特徴と学習法
この本は「スピーキングのためのやりなおし英文法スーパードリル」と書かれているように
私達が中高で学んだ文法事項を音だけで運用できるようにトレーニングする本です。
この本は初級編なので扱っている文法事項が分詞構文を除けばほとんど中学校で習ったものばかりです。
さらに高度な文法事項は中級編、上級編で扱われると聞いています。
ちなみに中級編は2021年12月に発売予定とのこと。
この本の英文を見ると一見簡単ですが、この英文を、文字に頼らず音だけで口から出るようにするのはかなり大変です。
私は実際に英語のハノンは一通りやりましたがほぼ毎日やって5か月以上かかりました。
初中級者の方であれば1年間ぐらいかけても良いかもしれません。
この本の学習法は極めてシンプルで
2.最初は英文を見ながら練習する
3.英文を見ながら言えるようになったら閉本したまま
ナチュラルスピードでスラスラ言えるまでする練習
です。
閉本したままナチュラルスピードでスラスラ言えるようにするにはかなりの練習が必要です。
このドリルが大変なのは英文と英文の間のポーズが極端に短いので、少しでもつまると英文を言い終わる前に次の英文が流れてくるところです。(ナチュラルスピードの場合)
私も毎日やっていますが、調子が悪い日は言い終わる前に次の英文が流れてきています。
著者の横山雅彦先生曰く、駆り立てられる感覚こそが「英語のハノン」の醍醐味とのこと。(笑)
この本を学習する時の注意点は1日に学習する量を少なくするということです。
1日に1ユニットやっている人もいるそうですが1日に1ドリルか2ドリルでも良いので
しつこいくらい回数を繰り返すことが大切。
横山先生は初中級者の方は1日1ドリルでも良いとおっしゃっています。
私も同感です。
見て分かる英文をスムーズに口から出るようにするにはかなりの数の反復練習が必要なのです。
横山雅彦先生は初中級者の方は1つのドリルを1000回やって欲しいとおっしゃっています。
まあ1000回はともかく数十回では回数が全く足りないことは確かですね。
この本の例文は一見するとかなり易しいので「この本をやっても英語が話せるようになるのかと思われるかもしれません。
でも私が今まで多くの英語学習者を見てきて感じるのは多くの人が難しすぎる」テキストを使っていると感じています。
特にスピーキングでは少し易しすぎるかなと思える教材を使うことがポイントです。
これがなかなか難しいんですけどね・・・
私も英語のハノンをやって今までより英語がスムーズに出るように
なりました。
TOEICでハイスコアを取得している人は英文法は身についているはずです。
後はその英文法を口頭で自在に使えるようにすれば英語は必ず話せるようになります。
英語のハノンについては又別記事で詳しく書きますのでご覧下さい。
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5.TOEICハイスコアでも英語が話せないは本当か?のまとめ
TOEICハイスコアでも英語が話せないからTOEICは意味がないと言うのは耳にタコができる
ぐらい聞いてきました。
事実だから反論のしようがないのですけどね・・・(^^)/
TOEICハイスコアの人が全員英語を話したいとっているとは思いませんが、
英語を話せるようになりたいと思われている方は多いと思います。
TOEICでハイスコアが取れているということは英語の基礎力は十分ついています。
特に英文法の知識は十分に身についているはずよね。
ただ多くの人の英文法の知識は見て分かる受動的知識です。
英語を話せるようにするためには受動的知識を能動的知識に変えることが必要です。
受動的知識を能動的知識に変えるためには時間がかかります。
でも時間をかけて正しい方法でトレーニングすれば英語は確実に話せるようになりますので安心して下さい。
「英語のハノン」はお手軽な教材ではありませんが、やり切れば必ず英語は話せるようになります。
頑張りましょう!!