最近ヤフーニュース等で
中高の教員のTOEICのスコア
についての記事を見かけます。
多くの記事は中高の英語教員の
TOEICのスコアが低すぎて話に
ならないという内容の記事ですね。^^;
日本の英語教育に対する批判の
矛先が中高の先生方に向いて
います。
日本人が英語が出来ないのは
英語の教員のTOEICのスコアが
低いことと関係があるのでしょうか?
今回は教員にTOEICのハイスコア
が必要かどうかについて
書いてみたいと思います。
1.学校の教員にTOEICのハイスコアが必要か?
私は、学校の教員の方はTOEICで
ハイスコアを持っていたほうが
望ましいが、必ずしもハイスコアが
必要だとは思いません。
あまりにも低すぎる点数は
問題ですが・・・
ただ2020年からは大学入試共通テスト
にTOEICが採用されることが
決まりましたので、TOEICの、
対策指導が出来た方が
望ましいですね。
(特に高校の教員の方)
そもそもTOEICで問われる英語と
中高で教える英語の内容は
大きく異なります。
TOEICで扱われる内容は
ビジネスシーンでの英語や
日常生活で触れることが
多いメールや記事等の
英語が中心。
一方中高で教える英語に
TOEICで扱われうような
英語はほとんど出て来ません。
ですからTOEICでハイスコアを
持っているからといって
英語を教えるのが上手だとは
必ずしもいえません。
ただある統計によると
中学校の教員のTOEICの
平均点が560点、
高校の英語教員の平均点が
620点という統計もあります。
この統計の数字が正しいとすれば
この数字は少し低すぎると
私も思います。
800点、900点程といったハイスコア
が全教員に必要だとは思いませんが
できればBランクの730点は
超えていて頂きたいですね。
ただ教員のTOEICのスコアが低いというのも
判断がなかなか難しいなと感じます。
というのも教員の方の多くは
TOEICを無理やり受験させられている
可能性がかなり高いからです。
強制的に受験させられたのでは
モチベーションも低くなり、
結果としてTOEICのスコアも
低くなっているのではないかとも
推測されます。
TOEICのスコアというのは
英語力を測る指標としては
とても分かりやすいですが
数字だけでは分からないことも
たくさんあるので、注意が必要ですね。
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2.中学校の教員のTOEICのスコア
中学校の教員は、高校の教員の方ほど
高いTOEICのスコアは必要ないと
私は思っています。
とはいえ730点は最低ラインとして
クリアーして頂きたいというのが
本音ですが・・・
中学生に英語を教えるのに
必要な力は、基礎的な内容を
分かりやすく教える力だと
私は思います。
特に最近は学習指導要領に
文法をあまり説明しないように
しているので、多くの中学校では
英文法の説明をあまりしません。
(一部の私立中学校は除きます)
英文法にあまり触れずに
中学生に英語を教えるのは
なかなか難しいです。
例えばI like dogs.
という文で、なぜdogsと
複数形にしなければいけないのか
という疑問にきちんと答えられる
ことが重要です。
一番まずい教え方は、
「それはきまりだから、とりあえず
覚えておけば良い」という教え方。
このような教え方では
英語嫌いの中学生が増えてしまいます。^^;
中学校で習う英語はそれ程難しく
ないのですが、中学生がする質問は
英語の本質を突いたものが多く、
そうした質問にきちんと答えるのは
結構大変です。
ですから中学校の教員の方に
必要なのは中学生がつまずきやすい所、
理解しにくい所をきちんと説明できる
力だというのが私の考えです。
こうした力はTOEICの受験をして
身につく力ではありません。
ですから中学校の教員の方にTOEICで
ハイスコアを取ることを求めるのは
どうなのかなと思います。
もっと他の形での研修が必要なのでは
ないでしょうか?
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3.高校の教員の方のTOEICのスコア
高校の英語の学習内容は
中学校と比較すると格段に
難しくなりますので、
高校の教員の方に求められる
英語力も必然的に高くなります。
ですから高校の教員の方の
TOEICのスコアは高いにこしたことは
ありません。
最低でも730点はないと
高校生に教えるのは
厳しいと思います。
ただ高校によって生徒のレベルが
かなり異なりますので、
高校の教員に求められる英語力は
かなり異なります。
それ程進学校でない高校であれば
そこまで高い英語力は必要ありません。
基礎的なことを生徒に分かりやすく
教える力の方がはるかに重要です。
一方進学校の生徒になると
英検準1級、TOEIC800点以上を取る
生徒もざらにいますので、
教える方は当然それ以上の
英語力が求められます。
進学校の生徒を教えるとなると
英検でいえば1級、TOEICであれば
900点以上は必要ですね。
そうでないと、生徒の英語力の方が
高くなってしまいます。^^;
でも英語力が高いから
といって教えるのが上手とは
限らないというのが現実です。
私が担当しているある生徒の
高校の英語の先生の
英語力は抜群です。
英検1級を取得され、TOEICのスコアも
900点オーバー。
ただ生徒に言わせると授業の
説明がさっぱり分からないとのこと。
生徒のレベルをよく考えず、
簡単なことの説明をすることなく
難しいことばかりを説明されるので
ほとんどの生徒が授業に
ついていけてないと言っていました。(;_;)
もちろんこの先生の例は
極端な例だと思いますが、
野球でも名監督は名選手にあらずと
よく言われます。
TOEICのスコアだけで先生の
力量を判断するのは危険だと
私は思っています。
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4.教員とTOEICのスコアのまとめ
日本の英語教育ほど評判の悪いものは
ありません。
日本人が英語が出来ないのは
日本の英語教育が悪いせいだと
思われている方はかなり多いと思います。
私は日本の英語教育は確かに
改善の余地はありますが、
巷で言われている程悪いとは
思いません。
どんなに英語教育を変えたとしても
学校の英語教育だけで
高い英語力を身につけることは
不可能ですから・・・
最近は批判の矛先が中高の
英語の先生に向いていますね。
中高の英語の先生が英語が
出来ないから日本人は
英語が出来ないんだ、
中高の先生のTOEICのスコアは
低すぎるといった批判の声を
よく聞きます。
批判する人の中には教員は
全員TOEIC900点以上でなければ
いけないという人もいます。
確かに中高の先生の英語力が
十分だとは思いませんが、
日本人が英語が出来ない原因が
全て学校教育にあるとは
思いません。
一番の問題は日本人の
英語学習に対する姿勢です。
(このことについて書くと
話が長くなるので書きません)
学校の英語教育が悪い、
学校の先生が悪いと
犯人探しをしていても
英語は出来るようになりません。
自分にやる気さえあれば、
英語教材、素材はいくらでも
ありますし、インターネットが
発達した現在ではお金を
おけなくても英語を学ぶことも
出来ます。
人に責任を押し付けるのではなく
主体的に英語を学んでいきましょう。
正しいやり方で学習すれば
英語はできるようになりますから・・・
一緒に英語学習を頑張りましょうね。