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通訳翻訳者にTOEICのスコアは関係ない!その理由とは?

英語を使う仕事として真っ先に頭に浮かぶのは
おそらく通訳、翻訳の仕事では
ないでしょうか?

言うまでもなく通訳、翻訳の仕事はどちらも
高い英語力を必要とする職業です。

私自身も翻訳の仕事をしていることもあり、
TOEICのスコアが何点あれば、翻訳の仕事が
出来ますかという質問を時々頂きます。

今回は通訳、翻訳の仕事をするために
必要なTOEICのスコアについて書きます。

1.通訳翻訳者にTOEICのスコアは必要ない

始めに結論を申し上げますと、
通訳、翻訳の仕事をするのに
TOEICのスコアは殆ど関係ありません。

こう言うと、「えっ、そうなの」と
思われる方が多いかもしれませんね。

通訳、翻訳の仕事をするのにTOEICのスコア
が関係ないというのは、TOEICでは
通訳、翻訳の仕事をするための
必要な技量を測れないという意味です。

通訳者に必要なのは、瞬時に英語から日本語、
又は日本語から英語に変換する瞬発力です。

又発言者の意図をきちんと汲んだ上で
通訳する頭の回転の早さと機転、
記憶力の良さも当然必要です。

同時通訳の第一人者の長井鞠子さんは、
「頭の回転の遅い人は通訳の仕事は出来ない」
と講演でおっしゃっていましたが、

私も同感です。

翻訳者に必要なのは、原文の意味をきちんと
理解した上で、日本語から英語、英語から
日本語に翻訳する能力です。

あと日本語の力、分からないことを
調べるリサーチ力も当然必要になってきます。

このように通訳者、翻訳者に必要な力は
TOEICのテストでは測ることが出来ないので
TOEICのスコアは殆ど関係ないのです。

2.通訳者、翻訳者のTOEICのスコア

とはいえ通訳者、翻訳者のTOEICのスコアが
気になるという方も多いと思います。

通訳者、翻訳者の両方共人によって
差がありますが、一線で活躍している通訳者、
翻訳者のTOEICのスコアは
900点以上の人がほとんどです。

多言語翻訳者の猪浦道夫さんによれば、
TOEICのスコアが600点、700点でも
良い翻訳をする人もいるが、
TOEIC900点以上でも翻訳が全くダメな
翻訳者もいるそうですので、
翻訳者に関しては翻訳技術と
TOEICのスコアの相関関係は
あまりなさそうです。

一方通訳者のTOEICのスコアは
概ね900点以上だとおっしゃっています。

参考図書

TOEIC亡国論 (集英社新書)

中々面白い本ですので
一読をお勧めします。

単なるTOEIC批判ではなく、
英語力を上げる方法についても
詳しく書かれているので参考になります。

全体的な傾向としては、通訳者の方が
翻訳者よりスコアが高い傾向があります。

殆どの通訳者はTOEIC950点以上を
持っています。
満点を持っている人も結構多いです。

翻訳者は通訳者と比較すると、スコアに
幅がありますが、大体700点後半から
990点の間です。

ただ通訳者、翻訳者でもTOEICを
受験したことがないという人は結構います。

特に帰国子女、海外留学経験者は
受験したことがないという人は多いですね。

あと先程も書きましたように
TOEICのスコアと通訳者、翻訳者の
通訳、翻訳の実力はほとんど相関関係が
ないので、通訳者、翻訳者の多くは
TOEICのスコアに関心がありません。

ですからTOEICのスコアが高いから、
良い通訳者、翻訳者だと判断するのは
間違っています。

3.通訳者、翻訳者になるための最低限の英語力

私が翻訳を習った師匠は、翻訳の仕事を
本格的にするためには英検1級、TOEIC900点
の英語力が必要だとおっしゃっていました。

翻訳の仕事は、難易度の幅が広いので、
英検1級、TOEIC900点の英語力がないと
仕事が出来ないとは思いませんが、
特許、法務等専門性の高い翻訳をするには
英検1級、TOEIC900点の英語力は最低でも
欲しいところです。

ただ勘違いして頂きたくないのですが、
英検1級、TOEIC900点あれば、翻訳の仕事が
できるということではありません。

英検1級、TOEIC900点はあくまで
プロとしてのスタートラインです。

通訳者の場合も最低限の英語力は
英検1級、TOEIC900点です。

通訳養成スクール(サイマル・アカデミー、
フェロー等)では通訳スクールの講座を
受講する要件が英検1級、TOEIC900点で
あることがほとんどです。

もちろんこれより低い条件で入学を
認めてくれる学校もありますが、
通訳入門のようなコースがほとんどですので、
そのレベルから養成スクールに通うと、
かなりの年数通わないとプロにはなれません。

翻訳のスクールも高価ですが、
通訳養成スクールは輪をかけて高額で、
1年50,60万かかるスクールも
ざらにあります。

しかも学期の最後にあるテストに
合格しないと次のレベルの講座に
進めないのです。

通訳になりたいと思われている方で
スクールに通うことを考えられている方は、
最低でも英検1級、TEIC900点の
実力がついてからにした方が良いと
私は思います。

そうでないと一人前になるまでに
お金が莫大にかかりますから・・・

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4.TOEICにこだわる必要はない

今までに「翻訳、通訳の訓練を始めるのに、
TOEICで何点が必要か」という質問を
何度も頂きました。

プロになるための何らかの
目安が欲しいという気持ちは
痛い程よく分かります。
だって私がそうでしたから・・・

私は通訳や翻訳の仕事をしたいと
思うのであればTOEICのスコアを上げることに
それ程こだわる必要はないと思っています。

先程英検1級、TOEIC900点の英語力が
必要だと書きましたが、あくまで英検1級、
TOEIC900点と同等の英語力が
必要だということです。

英検1級、TOEIC900点と同等の力があれば
それで良いのです。
(私の翻訳の師匠は英検1級もTOEIC900点
以上も持っていませんでしたが、
翻訳の仕事をバリバリされていました)

通訳になりたいのであれば、
通訳養成スクールに通うか、
誰かに教えてもらって通訳の
トレーニングをすることが
一番重要です。

翻訳の仕事をしたいのであれば、
とりあえず翻訳の仕事をしてみること
が大切ですね。

翻訳は経験がないとなかなか有償の仕事は
できませんが、ボランティア通訳であれば、
インターネットで検索すれば結構あります。

商工会議所、日本青年会議所、様々なNPOが
ボランティア翻訳を探していますので、
そこでまず経験を積むことが
何よりも重要ですね。

ボランティア翻訳でも翻訳経験には
なりますから・・・

私の翻訳の師匠の言葉で今でも
鮮明に覚えているのが、
「翻訳のスキルを上げたいのであれば、
とにかく仕事をすること。
ボランティア翻訳でも良いから、
実際に仕事として、翻訳することで
翻訳のスキルは上がっていく」
という言葉です。

仕事として緊張感を持って
取り組まないと翻訳のスキルは
上がらないといつもおっしゃっていました。

仮にTOEICで満点取れたからといって
通訳や翻訳の仕事が出来るわけでは
ありません。

ある程度の英語力がついたら
実際に通訳、翻訳のトレーニングを
するようにしましょう。

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4.通訳者、翻訳者とTOEICのスコアのまとめ

長々と書いてきましたが、通訳者、翻訳者に
必要なのは英語の資格やスコアでは
ありません。

必要なのは通訳、翻訳スキルです。

TOEICの勉強で通訳、翻訳のスキルが
磨かれることはまずありません。

英語力のベースを作ることは
出来ますけど・・・

実際に通訳、翻訳の仕事を受ける際に
英検、TOEICのことを聞かれることは
殆どありません。
(応募者の足切りラインとして
聞かれることは時々あるようですが・・・)

通訳者、翻訳者に必要なのは
通訳、翻訳がきちんとできるスキルです。

最初は誰でも不安です。
でもとにかく経験を積むしか
プロとしての自信とスキルを
手にすることはできません。

TOEICでハイスコアを取るために
時間をかけるのはもったいないので、
TOEICのスコアにこだわらないように
してください。

恥ずかしながらこれは自分の過去の
経験からの反省でもあります。

TOEICのスコアが何点でも
通訳、翻訳が出来ればそれで
ALL OKAYです。

どうかTOEICのスコアにこだわらない
ようにして下さいね。
(かつての私のように・・・)

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