「ただ聞き流すだけで口から
英語が出てくる」という
キャッチコピーで有名な
スピードラーニング。
プロゴルファーの石川遼選手も
使っているということで
かなり多くの英語学習者が
興味を持っているようです。
スピードラーニングのホームページに
スピードラーニングを使って
TOEIC870点を取ったという人の
体験談が掲載されているので、
スピードラーニングでTOEICの
スコアが上がるのではないかと
思っている人も多いと思います。
この記事ではスピードラーニングで
TOEICのスコアが上がるのか
どうかについて書きます。
1.スピードラーニングでTOEICのスコアが上がるのか?
結論を言うと、スピードラーニングで
TEICのスコアが上がることは
ありません。
もちろん全く効果がないと
いうつもりはありませんが、
スピードラーニングで
リスニング力が大きく伸び、
TOEICのスコアが上がることは
ないと断言できます。
そもそも聞き流すだけで
リスニングが出来るように
なることはありません。
スピードラーニングのテキスト
の中身は悪くはないのですが、
TOEICで出題される内容とは
全く関連がありません。
スピードラーニングに限らず
英語教材で良く売れているのは
「聞き流すだけで良い教材」です。
「テキストも辞書もいらない」という
キャッチフレーズは確かに魅力的ですが、
ただ聞き流すだけでは効果はありません。
もし本当に聞き流すだけで
英語が話せるようになるのであれば、
もっと多くの日本人が
英語を話せるようになっているはずですが
現実は違いますよね?
(スピードラーニングは
累計230万セット売れています)
なるべく楽をして英語が出来るように
なりたいという気持ちは分かりますが、
スピードラーニングのような聞き流し系の
英語教材ではリスニングやスピーキングは
出来るようになりません。^^;
2.聞き流しが効果がない理由
「英語を聞き流せばリスニングが
出来るようになるのか」という質問を
今までに数えきれない程頂きました。
答えは当然ですが、
「英語を聞き流すだけではリスニングは
出来るようになりません」
例えばちょっと考えて頂きたいのですが、
お坊さんが唱えているお経を何度も
聞いたからと言って、お経が何を
言っているか分かるようになるでしょうか?
多分何度聞いても何を言っているか
分からないと思います。
(聞き取れる語が少し増えることは
あるかもしれませんが・・・)
ただお経を唱えているということが
分かるだけではないでしょうか?^^;
英語は言葉だから、勉強などしなくても
聞いていればいつかは分かるようになるだろう
と思われるかもしれませんが、
リスニングはそれ程簡単なことでは
ありません。
全く知らない英語を聞き続けたからと
いって、いつか分かるようになる日は
来ません。^^;
3.リスニングが難しい理由
英語にはリスニング、リーディング
ライティング、スピーキングの
4技能がありますが、
一番難しいのはどれだと
思いますか?
おそらく多くの方は
スピーキングだと答えるのでは
ないでしょうか?
でも実は一番難しいのは
リスニングなんです。^^;
これはプロの通訳者の方も
口を揃えておっしゃいます。
多くの人がスピーキングが
難しいと思うのは
単に英語を話すことに
慣れていないことが原因です。
スピーキングは自分で主導権を
取ることが出来ます。
ゆっくり話そうと思えば
ゆっくり話すことができますし、
簡単な単語で話そうと思えば
簡単な単語で話せます。
ライティング、リーディングも
主導権は自分にあります。
(自分のペースで英語を読んだり、
書いたり出来ますよね)
でもリスニングの主導権は
相手にあります。
相手が速いスピードで話せば
それに対応しないといけませんし、
相手が難しい単語で話せば
その単語を理解しないといけません。
ですからリスニングは本当に
難しいのです。
リスニングは難しいということを
頭に入れて、学習するようにして
下さいね。
4.リスニングが出来るようになるには
リスニングが出来ない理由は
シンプルです。
1.使われている単語、フレーズがを知らない
2.使われている単語、フレーズ
を知っているが、聞き取れない
3.使われている単語、フレーズ
を聞き取れるが、意味を理解するスピードが遅い
リスニングが出来ない理由は大きく
分けるとこの3つです。
1の使われている単語、フレーズ
を知らないというのは、
以外と多くの人が見落としていることです。
そもそも知らない単語、フレーズ
を何度聞いても分かりません。
知らない単語、フレーズは、発音を
確認しながら覚えるようにしましょう。
(スペルはそれ程気にする必要は
ありません)
2の使われている単語、フレーズ
を知っていても、聞き取れないということも
よくあります。
まず原因として、単語、フレーズを
覚える時に発音を確認していないので
自分が思っている音と
実際に聞こえてくる音にギャップが
あることが挙げられます。
例えばwaterは「ウォーター」ではなく
「ワーラー」のように発音されます。
単語、フレーズを覚える時は
CDを聞いて、正しい発音を
確認するようにすれば
聞き取れるようになります。
英語はフレーズになると
音が連結したり、脱落します。
音が連結したり、脱落するので
知っている単語しかない
フレーズなのに、何を言っているか
聞き取れないということが起こります。
専門的にはリンキング(連結)、
リダクション(脱落)と言います。
例えばput it on(それを着る)の発音は
「プット・イット・オン」のようには
発音されず、「プッティオン」のように
1音節で発音されます。
putのt,itのtは音が脱落(リダクション)して
ほとんど発音されません。put it onの
3つの単語が連結して1つの単語の
ように発音されます。
(アメリカ英語ではtは次に母音が
来る時は、かなり弱く発音されるので
音がほとんど聞こえません)
このように自分が思っている発音と
聞こえてくる発音にズレがあると
聞き取ることが出来ません。
まずは正しい発音を聞いて、
正しい発音を知って、
自分で正しく発音できるように
なることが大切です。
自分が発音できる音は
聞き取ることが出来ますから・・・
3の使われている単語、フレーズ
を聞き取れるが、意味を理解する
スピードが遅くて聞き取れない
原因はリスニング力以外にあります。
聞き取れない原因は、
英語の処理速度が遅いからですね。
この場合は、音読等をして
英語を英語の語順で理解できる
ようにすることが必要です。
音読をすることで
英語を英語の語順で前から
理解出来るようになります。
聞きながら頭で和訳していると
速いスピードで話される英語を
理解することは出来ません。
中上級者の方であれば、
シャドーイングも効果があります。
英語の処理速度が遅い方は
英語を英語の語順で理解出来る
ように音読、シャドーイング等の
トレーニングをするように
して下さい。
5.TOEICとスピードラーニングのまとめ
上に書きましたように
リスニングが出来ない原因は
様々です。
多くの方はリスニングは
英語を聞いていればそのうち
出来るようになるだろうと
思われていますが、
リスニングが出来ない原因を
きちんと理解して、学習しないと
リスニングはなかなか出来るように
なりません。
私はスピードラーニングを
評価していませんが、
教材の内容自体は
そこまで悪くないと思っています。
聞き流すのではなく、
テキストを見ながらリスニング
したり、音読をする等の
トレーニングをすれば、
英語力は間違いなく上がります。
(TOEIC対策としては効率は
あまり良くないですけど)
ただスピードラーニングを
買われる方は多分このような
学習をしたくないのでしょうね。^^;
このブログで何度も書いていますが、
リスニングは英語を聞き流すだけでは
絶対にできるようになりません。
TOEICのリスニングであれば
音声ファイル(CD)がついた
教材を買って、ただ音声を
聞くだけでなく、テキストを
見ながら音声を聞く、音読をする、
正しく発音できるように
するという方法で学習すれば
ある程度時間はかかりますが、
リスニングは必ず出来るように
なります。
楽な学習法に流される気持ちは
分かりますが、正しいやり方で
学習するようにしましょう。
スコアアップを目指して
頑張りましょうね。^^